皇帝フランツ・ヨーゼフ1世の妻で「シシー」の愛称で知られる女王エリザベートは、大のスイーツ好きだったことでも有名です。広大な領地を旅し、行く先々で地元のカフェハウスを訪れては、各店自慢のお菓子を堪能していました。それゆえ各地の菓子職人は、彼女のお気に召すような趣向を凝らしたお菓子をこぞって考案しました。
ベーカリーとしてはもちろん、焼菓子でも定評のあるホーフベッカライ・エーデッガー・タックスにも、エリザベートにちなんだ人気商品があります。ヘーゼルナッツたっぷりのサクサク生地に、アプリコットジャムを挟んだ一口菓子、シシーブッセル。「シシーの接吻」という名にふさわしく、ころんと丸い形にアプリコットの上品な酸味は、さながら可憐なプリンセスのよう。王家御用達の名にふさわしい、シンプルながらも洗練された焼菓子です。