今年のクリスマスはいつもと様子がだいぶ違いますが、グラーツには食卓に美味しさを届けるサンタクロースがいます。その正体は、何を隠そうエーデッガー・タックスの店主、ロベルト・エーデッガー氏です。
街全体が世界遺産に指定されているグラーツの主要産業は観光業。今年3月にコロナウイルス感染拡大対策でオーストリア全土でロックダウンが敷かれるや、観光客の姿はぱたりと途絶え、地元経済はとくに大きな打撃を受けました。
王家御用達ベーカリーとて例外ではなく、営業自粛によりやむなく従業員を一時解雇したことも。ロックダウンが解除された後も人々の往来は回復に至らず、以前のにぎやかな喧噪はすっかり影を潜めています。
そんな中、ロベルト・エーデッガー氏は「Der Genuss」というプロジェクトを立ち上げました。コロナウイルスの影響で売上が落ち込んでしまった飲食店と協力して、それぞれの店舗の商品を詰めたテイクアウトBOXのケータリングです。
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地元グラーツの食材を使ったデリカテッセン、チーズ、ハムやソーセージ、食肉店、地ビールにシードル、そしてもちろん王家御用達のパンや焼菓子も。Webサイトから注文を受けた品物をすべてひとつにパッケージし、ご自宅でも、職場でも、森の中でも、グラーツ市内ならどこでもデリバリー。地元企業を経済的に支えつつ、お客様に地元の食材を再発見してもらい、みんなでDer Genuss=悦びを分かち合うというサービスです。何百年もグラーツに根を下ろす老舗エーデッガー・タックスの鶴のひとことで生まれたアイデア。グラーツで生まれ育ち、グラーツの街や人や食文化を愛するロベルト・エーデッガー氏の地元愛にあふれています。
11月に再開されたロックダウンも解除され、クリスマスを間近に控えたこの時期も、Der Genussは絶賛稼働中。例年のような賑わいはなくても、せめて宴の食卓は華やかに。そんな思いをこめて、双頭の鷲のマークをつけたロベルト・サンタクロースは今日もグラーツ市内に悦びと笑顔を届けています。
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